くらっちのクラウド日記

仕事や勉強で得た Microsoft 365 関連の技術知識を投稿していくブログです。

【SharePoint】ビューの書式設定で吹き出しを作ってみよう

はじめに

こんにちは、くらっちです。
以前別の記事で、SharePointOnlineのビューの書式設定を使って自己紹介カードを作ったので今回はカーソルをあてた時に吹き出しが表示される機能を追加しました。
サンプルのJSONも用意しているので気になっている方はぜひお試しください。
この記事のサンプルを見れば使い方がざっくりとでも理解してもらえると思います。

※前回記事 kurattyodiary.hatenablog.com

目次

実装例

サンプルコードをリストビューに設定すると下図のようになります。
自己紹介カードの右側色付きの部分にカーソルを合わせると吹き出しが表示されます。

使用する列

今回作成する自己紹介カードに必要な列はこちら。
リストに下記列を追加してください。

表示名 内部名 列の種類 備考
ユーザー Person ユーザーまたはグループ ユーザーのみ選択可
電話番号 PhoneNumber 1行テキスト
所属部署 Department 選択肢 ドロップダウン形式
紹介文 Introduction 複数行テキスト プレーンテキスト

ビューの設定

ビューには下記の列を表示させます。

  • ID ⇒(名前クリックでアイテムのフォームを開くため)
  • ユーザー ⇒(写真・名前・メールアドレスを表示するため)
  • 電話番号 ⇒(電話番号を表示するため)
  • 所属部署 ⇒(所属部署を表示するため)
  • 紹介文 ⇒(吹き出しの中身のため)

サンプルコード

下記のコードをコピーして「ビューの書式設定」に貼り付けて下さい。
コード内の「テナント名]、[サイト名]、[リスト名]は実際のリストに合わせてください。
また、[$Department] == '総務部' の部分も選択肢の内容に合わせてください。

ビューの書式設定は、HTMLをjson形式で記述しています。
HTMLを知っていればカスタマイズも簡単です。
試行錯誤しながら色々使い倒すことをおすすめします!

{
  "$schema": "https://developer.microsoft.com/json-schemas/sp/v2/row-formatting.schema.json",
  "hideSelection": true,
  "hideListHeader": true,
  "rowFormatter": {
    "elmType": "div",
    "style": {
      "width": "350px",
      "margin": "10px",
      "float": "left",
      "padding": "0px 0px 0px 10px",
      "box-shadow": "3px 3px 5px 0 darkgrey"
    },
    "attributes": {
      "class": "ms-bgColor-neutralLighterAlt ms-bgColor-neutralLight--hover"
    },
    "children": [
      {
        "elmType": "div",
        "children": [
          {
            "elmType": "img",
            "style": {
              "display": "block",
              "width": "75px",
              "border-radius": "50%"
            },
            "attributes": {
              "src": "='/_layouts/15/userphoto.aspx?size=M&username=' + [$Person.email]"
            }
          }
        ]
      },
      {
        "elmType": "div",
        "style": {
          "width": "230px",
          "font-size": "1.0em",
          "text-align": "left",
          "overflow": "hidden",
          "text-overflow": "ellipsis",
          "white-space": "nowrap",
          "padding": "5px 5px 10px 5px",
          "margin": "0px 0px 0px 10px"
        },
        "children": [
          {
            "elmType": "div",
            "children": [
              {
                "elmType": "a",
                "style": {
                  "cursor": "pointer",
                  "font-size": "1.2rem",
                  "text-decoration": "none",
                  "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                },
                "attributes": {
                  "href": "='https://[テナント名].sharepoint.com/sites/[サイト名]/Lists/[リスト名]/DispForm.aspx?ID=' + [$ID]",
                  "target": "_blank"
                },
                "children": [
                  {
                    "elmType": "span",
                    "txtContent": "[$Person.title]",
                    "attributes": {
                      "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                    }
                  }
                ]
              },
              {
                "elmType": "span",
                "style": {
                  "float": "right",
                  "margin": "5px 5px 5px 15px"
                },
                "children": [
                  {
                    "elmType": "a",
                    "style": {
                      "cursor": "pointer"
                    },
                    "attributes": {
                      "href": "='https://teams.microsoft.com/l/chat/0/0?users=' + [$Person.email]",
                      "target": "_blank"
                    },
                    "children": [
                      {
                        "elmType": "span",
                        "attributes": {
                          "iconName": "OfficeChat",
                          "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                        },
                        "style": {
                          "font-size": "1.3em"
                        }
                      }
                    ]
                  }
                ]
              }
            ]
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$Department]"
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$PhoneNumber]"
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$Person.email]"
          }
        ]
      },
      {
        "elmType": "div",
        "style": {
          "display": "block",
          "width": "25px",
          "height": "94px",
          "background-color": "=if([$Department] == '総務部', 'gold',if([$Department] == '営業部','bisque',if([$Department] == 'インフラ事業部','cornflowerblue',if([$Department] == 'クラウド事業部','forestgreen','white')))"
        },
        "customCardProps": {
          "openOnEvent": "hover",
          "isBeakVisible": true,
          "directionalHint": "rightTopEdge",
          "formatter": {
            "elmType": "div",
            "style": {
              "max-width": "300px",
              "padding": "20px"
            },
            "txtContent": "[$Introduction]"
          }
        },
        "children": [
          {
            "elmType": "span",
            "attributes": {
              "iconName": "",
              "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
            }
          }
        ]
      }
    ]
  }
}

ここが吹き出し

上記コードの中で、吹き出しを作っているのはこの部分です。
それ以外の部分でカードを作っています。

        "customCardProps": {
          "openOnEvent": "hover",
          "isBeakVisible": true,
          "directionalHint": "rightTopEdge",
          "formatter": {
            "elmType": "div",
            "style": {
              "max-width": "300px",
              "padding": "20px"
            },
            "txtContent": "[$Introduction]"
          }
        },
        "children": [
          {
            "elmType": "span",
            "attributes": {
              "iconName": "",
              "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
            }
          }
        ]

最後に

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最後まで読んでいただいてありがとうございました。

参考

SharePointリストの書式設定(JSON) チートシート #JSON - Qiita

【PowerAutomate】フローを順番に実行したい!並列処理を制御する

はじめに

こんにちは、くらっちです。
今回はPowerAutomateで1つのフローを順番に実行する設定を紹介します。
PowerAutomateで作成したフローはデフォルトの状態だとトリガーが起動した直後に処理が開始されるため、同じフローが同時に複数実行される場合があります。(並列処理)


しかし、それだと「前のフローが終わった後に、次のフローを実行したい」という場合に不都合です。
そんな時の設定が「コンカレンシーの制御」です。

目次

コンカレンシーの制御

「コンカレンシーの制御」は、同時に実行するフローの数(次数)を制御するものです。
次数を2にしたらこのフローは2個まで同時に実行できます。
次数を100にするとこのフローは100個同時に実行できます。
ということはこの次数を1にすれば、フローを1個ずつ実行させることができるのです。

設定の手順

設定の手順は簡単4ステップです。

1.トリガーをクリックして設定を表示
2.「コンカレンシーの制御」項目が「オフ」になっていたら「オン」にする
3.「並列処理の次数」を1にすること
4.保存して完了



あっという間にできちゃいますね。
ぜひ、PowerAutomateを遊んで試してみてください。

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最後まで読んでいただいてありがとうございました。

【SharePoint】誰でも使えるビューの書式設定・基本編

はじめに

こんにちは、くらっちです。
先日、部内のメンバー紹介するための仕組みをSharePointで作りたいという要望があったので早速ビューの書式設定を使って自己紹介カードを作ってみました。
サンプルのJSONも用意したので「ビューの書式設定」が気になっている方はぜひお試しください。
この記事のサンプルを見れば使い方がざっくりとでも理解してもらえると思います。

目次

実装例

今回作成する自己紹介カードの完成イメージはこんな感じです。
JSONの中身が理解がしやすいようにシンプルな構成にしています。

機能の紹介

今回作る自己紹介カードには以下の機能を付けました。

SharePointリストについて

SharePointリストの「ビューの書式設定」を使ってカードを作ります。
リストの設定内容については以下を参考にしてください。

使用する列

今回作成する自己紹介カードに必要な列はこちら。
リストに下記列を追加してください。

表示名 内部名 列の種類 備考
ユーザー Person ユーザーまたはグループ ユーザーのみ選択可
電話番号 PhoneNumber 1行テキスト
所属部署 Department 選択肢 ドロップダウン形式

ビューの設定

ビューには下記の列を表示させます。

  • ID ⇒(名前クリックでアイテムのフォームを開くため)
  • ユーザー ⇒(写真・名前・メールアドレスを表示するため)
  • 電話番号 ⇒(電話番号を表示するため)
  • 所属部署 ⇒(所属部署を表示するため)

ビューの書式設定をカスタマイズ

下記手順を実施して、ビューの書式設定を編集します。

  1. 自己紹介カードを表示させたいリストを開く。
  2. 「現在のビューの書式設定」をクリック。
  3. 「ビューの書式設定」タブで「詳細モード」をクリック。
  4. この後のサンプルコードを全文コピーして貼り付ける。
  5. 保存する。

サンプルコード

下記のコードをコピーして「ビューの書式設定」に貼り付けて下さい。
コード内の「テナント名]、[サイト名]、[リスト名]は実際のリストに合わせてください。
また、[$Department] == '総務部' の部分も選択肢の内容に合わせてください。

ビューの書式設定は、HTMLをjson形式で記述しているイメージです。
HTMLを知っていればカスタマイズも簡単です。
試行錯誤しながら色々使い倒してください。

{
  "$schema": "https://developer.microsoft.com/json-schemas/sp/v2/row-formatting.schema.json",
  "hideSelection": true,
  "hideListHeader": true,
  "rowFormatter": {
    "elmType": "div",
    "style": {
      "width": "320px",
      "margin": "10px",
      "float": "left",
      "padding": "0px 0px 0px 10px",
      "box-shadow": "3px 3px 5px 0 darkgrey"
    },
    "attributes": {
      "class": "ms-bgColor-neutralLighterAlt ms-bgColor-neutralLight--hover"
    },
    "children": [
      {
        "elmType": "div",
        "children": [
          {
            "elmType": "img",
            "style": {
              "display": "block",
              "width": "75px",
              "border-radius": "50%"
            },
            "attributes": {
              "src": "='/_layouts/15/userphoto.aspx?size=M&username=' + [$Person.email]"
            }
          }
        ]
      },
      {
        "elmType": "div",
        "style": {
          "width": "200px",
          "font-size": "1.0em",
          "text-align": "left",
          "overflow": "hidden",
          "text-overflow": "ellipsis",
          "white-space": "nowrap",
          "padding": "5px 5px 10px 5px",
          "margin": "0px 0px 0px 10px"
        },
        "children": [
          {
            "elmType": "div",
            "children": [
              {
                "elmType": "a",
                "style": {
                  "cursor": "pointer",
                  "font-size": "1.2rem",
                  "text-decoration": "none",
                  "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                },
                "attributes": {
                  "href": "='https://[テナント名].sharepoint.com/sites/[サイト名]/Lists/[リスト名]/DispForm.aspx?ID=' + [$ID]",
                  "target": "_blank"
                },
                "children": [
                  {
                    "elmType": "span",
                    "txtContent": "[$Person.title]",
                    "attributes": {
                      "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                    }
                  }
                ]
              },
              {
                "elmType": "span",
                "style": {
                  "float": "right",
                  "margin": "5px 5px 5px 15px"
                },
                "children": [
                  {
                    "elmType": "a",
                    "style": {
                      "cursor": "pointer"
                    },
                    "attributes": {
                      "href": "='https://teams.microsoft.com/l/chat/0/0?users=' + [$Person.email]",
                      "target": "_blank"
                    },
                    "children": [
                      {
                        "elmType": "span",
                        "attributes": {
                          "iconName": "OfficeChat",
                          "class": "ms-fontColor-neutralPrimary"
                        },
                        "style": {
                          "font-size": "1.3em"
                        }
                      }
                    ]
                  }
                ]
              }
            ]
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$Department]"
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$PhoneNumber]"
          },
          {
            "elmType": "div",
            "txtContent": "[$Person.email]"
          }
        ]
      },
      {
        "elmType": "div",
        "style": {
          "display": "block",
          "width": "25px",
          "height": "94px",
          "background-color": "=if([$Department] == '総務部', 'gold',if([$Department] == '営業部','bisque',if([$Department] == 'インフラ事業部','cornflowerblue',if([$Department] == 'クラウド事業部','forestgreen','white')))"
        }
      }
    ]
  }
}

文末感想

今度はこのカードをカスタマイズして、ユーザーの自己紹介文を吹き出しみたいに表示できるようにチャレンジしてみようと思います✨
この記事が気に入った、参考になったという場合は評価して頂けるとすごく励みになります!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。

参考

SharePointリストの書式設定(JSON) チートシート #JSON - Qiita

【SharePoint】SharePointOnlineでスクリプトエディタが使えるクラシックサイトを作成する

はじめに

こんにちは、くらっちです。
SharePoint Onlineは現在モダンサイトが標準ですが、いまだクラシックサイトを使っている企業様も多くいらっしゃいます。
HTML、JavascriptCSSを使ってSharePointサイトのページを作成する機会もあるでしょう。

Webパーツページでスクリプトエディターを使ってJavascriptを活用した構築したいですよね。
ただ、チームサイトやコミュニケーションサイトのWebパーツページにはスクリプトエディターは含まれていません。
そこで今回は「SharePointOnlineでスクリプトエディターが使えるクラシックサイトを作成する方法」を紹介します。

目次

クラシックサイトを作成する

その他のサイトを参照する > その他のテンプレート

スクリプトエディタを使うには「その他のサイトを参照する > その他のテンプレート」を選択します。
以下、操作手順です。

SharePoint管理センター に接続
・ 「+作成」をクリック
・ 「その他のサイトを参照する」をクリック
・ 「その他のテンプレート」を選択

・ 「サイトを再度読み込みますか?」というメッセージが出たら「キャンセル」をクリック
  ※ここはどちらのボタンを選んでも以降の操作はできます。

チームサイト(クラシック表示)を選択

・ 別タブで「サイト コレクションの作成」が出てくるのでそちらを操作します。
・ 各項目を入力。テンプレートの選択は「チームサイト(クラシック表示)」を必ず選択。
・ 管理者には、管理者にしたいアカウントを入力して右側のアイコンをクリック。
  エラーメッセージが表示されずアカウントが認識されているようであればOK。
・ 「OK」ボタンをクリック。
・ 数分後、クラシックサイトが作成されるのでSharePoint管理センターで確認。
  これでスクリプトエディタが使えるクラシックサイトが完成です。

ちょっと分かりずらいところにあるので頭の片隅にでも置いておくといいかなーと思います。
備忘としてお気に入り登録などしてもらえると嬉しいです!

【PowerShell】CSVファイルを読み込んでユーザー作成&ライセンス付与する

はじめに

こんにちは、くらっちです。
今回はPowerShell で「ユーザーを新規作成&ライセンスも付与」してみよう!
ということでサンプルコードを作りました。
初心者向けの備忘録的な記事となります。

やろうとしていること

ユーザー情報が記載されたcsvファイルを読み込んでユーザーを一括登録します。
csvファイルには「UserPrincipalName、FirstName、LastName」のみ記載。
パスワードは「p@ss + MMdd」で固定、初期ログイン時に変更必須。
付与するライセンスは「Microsoft Business Basic」で固定。

サンプルコード

下記サンプルコードは、基本そのまま利用できます。
適宜<>の中身は修正してください。
読み込むcsvファイルは「UTF-8」形式にしてください。

#Set-MgUserLicense に必要なアクセス許可
Connect-Graph -Scopes User.ReadWrite.All, Organization.Read.All
#Get-MgUser に必要なアクセス許可
Connect-MgGraph -Scopes User.Read.All

$times = Get-Date -Format "yyyyMMddHHmmdd"
$todays = Get-Date -Format "MMdd"
$csvpath = "<import_filepath>\users.csv"

#csvファイルを読み込んで繰り返し処理
Import-Csv -Path $csvpath | ForEach-Object { 
    #ユーザーを新規作成
    New-MgUser -UserPrincipalName $_.UserPrincipalName -mailNickname "sample" -AccountEnabled -DisplayName "$($_.FirstName) $($_.LastName)" -GivenName $_.LastName -Surname $_.FirstName -UsageLocation "JP" -PasswordProfile @{ "Password"="p@ss$todays"; "forceChangePasswordNextSignIn" = $true
} 

    #新規作成したユーザー情報を取得
    $user = Get-MgUser -All -Filter "UserPrincipalName eq '$($_.UserPrincipalName)'"
    $userid = $user.ID

    #「O365_BUSINESS_ESSENTIALS」の ライセンス情報を取得
    $EmsSku = Get-MgSubscribedSku -All | Where-Object SkuPartNumber -eq 'O365_BUSINESS_ESSENTIALS'
    #ライセンス付与
    Set-MgUserLicense -UserId $userid -AddLicenses @{SkuId = $EmsSku.SkuId} -RemoveLicenses @()
}

このエラーが出た場合どうする?

New-MgUser : 引数 'True' を受け入れる位置指定パラメーターが見つかりません。
$true の記載が不要な場所に $true が入力されている可能性があります。

New-MgUser : Another object with the same value for property userPrincipalName already exists.
登録しようとしたユーザーは既に組織に存在しているようです。
※userPrincipalName の重複あり。

Set-MgUserLicense : Subscription with SKU … does not have any available licenses.
付与しようとしたライセンスに余りがない可能性があります。
ライセンスを追加購入して処理を実行しましょう。

参考

New-MgUser (Microsoft.Graph.Users) | Microsoft Learn
Get-MgUser (Microsoft.Graph.Users) | Microsoft Learn
Get-MgSubscribedSku (Microsoft.Graph.Identity.DirectoryManagement) | Microsoft Learn
Set-MgUserLicense (Microsoft.Graph.Users.Actions) | Microsoft Learn


【ChatGPT】トークン数、日本語と英語で比較したら全然違う!

はじめに

こんにちは、くらっちです。
ChatGPT を使っていると必ず聞くトークンという重要キーワード。
プロンプト英語入力の時と日本語入力の時でトークン数に結構な差があるようです。
今回、日本の童話「桃太郎」を題材にどれくらいトークン数が違うのか「 OpenAI Platform 」を使って調べてみました。

OpenAI Platform :入力文字をトークン化して、トークンごとに視覚化してくれるツールです。

目次

トークンとは

ChatGPTにおける「トークン」とは、モデルにテキストデータを入力する最小単位を指し、文字や​単語がトークンとして扱われます。
​ChatGPTは​トークンを受け取ることで自然な文章を生成します。

日本語の場合

まずは、日本の童話「桃太郎」の冒頭部分を使ってトークン数を見てみました。

むかし、むかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると大きな桃が流れてきました。
「なんと大きな桃じゃろう!家に持って帰ろう。」
とおばあさんは背中に担いで家に帰り、その桃を切ろうとすると、なんと桃から大きな赤ん坊が出てきたのです。
「おっとたまげた。」
二人は驚いたけれども、とても喜び、
「何という名前にしましょうか。」
「桃から生まれたから、桃太郎というのはどうだろう。」


トークン化すると以下のような結果となります。
入力文と比較すると、ひらがな1文字=トークン数1~2個。
漢字1文字=トークン数2~3個になっています。

英語の場合

今度は英訳した文章でトークン数を見てみました。

Once upon a time, there lived an old man and an old woman.
The grandfather went to the mountain to cut grass, and the grandmother went to the river to wash clothes.
When the old woman was washing clothes in the river, a large peach came flowing down the river.
"What a big peach! Let's take it home."
When she and her grandmother carried her home on her back and were about to cut the peach, she saw a big baby come out of it.
“Oops, I got it.”
They were both surprised, but very happy.
“What should we name it?”
“Since he was born from a peach, why not call him Momotaro?”


トークン化すると以下のような結果となります。
英語の場合は1単語1トークンです。
ただし、Momotaroのような固有名詞はトークンが2つ以上になることもあるようです。

比較まとめ

上記の結果を比較してみましょう。
同じ内容の文章にもかかわらず、日本語のトークン数は英語の2.3倍。
一方、文字数は日本語は英語の0.6倍です。

日本語 英語 
トークン数 329 146
文字数 243 573


日本語は文字単位トークンがカウントされています。
 ひらがな1文字1~2トークン、漢字1文字2~3トークであり、単純に文字数=トークン数ではありません。
英語は単語単位トークンがカウントされています。
 1単語1トークンで、固有名詞は複数のトークンに分かれる場合があります。

日本語と英語でトークン数に差が発生するのは、トークンとなる対象が違うのが原因です。
ChatGPTとの会話が長文になるほど、この違いは致命的です。

トークン数には気を付けよう

既に感じているかもですが、ChatGPTを扱う上でトークン数には注意が必要です。
理由は大きく3つあります。
 その1:トークン数が多いほど利用料金が大きくなる。
 その2:モデルごとに最大トークン数が決まっている。
 その3:トークン数は入力と出力の合計から成る。

1:トークン数が多いほど利用料金が大きくなる。

ChatGPTのAPI 利用料金は、トークン数やモデルの性能によって異なりますが、トークン数が大きくなるほど利用金額も大きくなります。
言うまでもなく短いトークン数(=短いやり取り)の方がお得なのです。
ちなみに、利用料金は1000トークンあたりで計算されます。

OpenAI と Azure OpenAI Service の料金表
OpenAI
Azure OpenAI Service

2:モデルごとに最大トークン数が決まっている。

モデルごとに、会話の中で使える最大トークン数(トークンの上限)が決まっています。
ちなみに一連の会話で最大トークン数を超えてもChatGPTとの会話は続けられます。
しかし、最大トークン数を超えると過去の会話が削除されて最大トークン数以下の情報で会話を実現します。
会話の情報が削られるため、モデルは文脈全体を理解できなくなります。

結果として、過去の会話が削除されることで回答に一貫性がなかったり、回答の正確性も下がる可能性があります。

Azure OpenAI Service のトークン数の上限について

3:トークン数は入力と出力の合計から成る。

トークン数は、過去の会話を含めた入力と出力の合計で計算されます。
例えば以下のような会話では、ユーザーが入力した2つの文章と、システムが出力した2つの文章が全て合計され、その結果が使用したトークン数となるわけです。

日本語だとあっという間に最大トークン数に達するし、利用料金もあっという間に高額になりそうですね。

また、モデルは会話の度に会話内容を先頭から処理して、回答も1文字ずつ出力します。
そのため、回答の全文を出力するまでの応答待機時間もトークン数に比例して大きくなります。

<ユーザー>
Please tell me the name of the first American president.

<システム>
The first president of the United States was George Washington. He served as President of the United States from 1789 to 1797.

<ユーザー>
It has the same name as the capital of the United States.

<システム>
Yes, it is. Washington, D.C., the capital of the United States, is named after George Washington. 

【PowerApps】編集画面の選択肢もSharePointリストを使おう!

はじめに

こんにちは、くらっちです。
先日「新規作成画面の選択肢には別のリストを使おう!」という内容の記事を書いたので、今回はその続きで「編集画面の選択肢には別のリストを使おう!」という記事を書きました。
同じ選択肢を複数回使う場合などに有効だと思います。

kurattyodiary.hatenablog.com

目次

選択肢用のリストを作成するメリット

前回と同じ内容ですが再掲。
選択肢用のリストを作成するメリットとして以下のことが考えられます。
1.選択肢の管理が簡単
2.参照値列の上限を回避できる
3.別用途でも使いまわせる

SharePointで選択肢用のリストを用意する

新規作成画面の時と同じ選択肢用のリストを使用します。

選択した値を保存する際は1行テキストを使え!

選択した値を保存するSharePointリストを用意します。
選択した値を保存する列は必ず「1行テキスト」にしてください。
理由は、別リストから選択した値を正常に登録させるためです。

編集画面にコンボボックスを追加する

下記手順に従い、コンボボックスを追加してください。


1.編集画面で「DataCardValue○」をクリックする。
2.「Visible」を false にして、DataCardValue○ を非表示にする。


3.「DataCard」内に ComboBox を追加する。
4.「Items」に [@選択肢リスト].Title と入力する。
5.複数選択させない場合は「SelectMultiple」を false にする。
6.「DefaultSelectedItems」に下記コードを入力する。

Filter([@選択肢リスト],タイトル=DataCardValue3.Text)


7.「DataCard」をクリックする。
8.「Update」に ComboBox〇.Selected.タイトル と入力することでコンボボックスで選択した値をSharePointに登録します。
 ※同じDataCard内のコンボボックスを選択すること。