くらっちのクラウド日記

仕事や勉強で得た Microsoft 365 関連の技術知識を投稿していくブログです。

【Teams】トランスクリプト機能のあれこれ

Teams会議の会話内容を文字起こしする「トランスクリプト機能」についてまとめました。
これから機能を使おうと思っている方の参考になればうれしいです!!

目次

トランスクリプト機能とは

・Teams会議において参加者の発言を 文字起こし する機能。
・日本語による文字起こしが可能。
・文字起こし結果は既定で「120日間」保管されます。
・保管期間は「1~99999日」の範囲で変更可能。
・文字起こし結果は、Wordファイル / vttファイルとしてダウンロード可能。
・ダウンロードファイルには「発言者名、発言時間、発言内容」が記録されます。
・文字起こし開始時、会議参加者には記録中である旨の通知が画面に表示されます。

注意事項

・日本語の文字起こし精度は高くありません。※メモ程度に考えるのが最良。
・トランスクリプト機能は文字記録のみで、音声は記録されません。
・トランスクリプト機能は翻訳は行いません。
・文字起こし結果は、ダウンロードするまでテキスト編集できません。
・複数人が同時に発言した場合、1人分しか文字化できません。

必要な事前設定

予定された会議 / チーム会議 の場合

予定された会議 or チーム会議で機能を使用する場合は下記設定をオンにします。
グループチャットでトランスクリプト機能を利用する場合も、下記設定をオンにすることで可能になります。通話ポリシー関係ないらしくすごい不思議。。

1.Teams管理センター > 会議 > 会議ポリシー をクリック
2.レコーディングとトランスクリプト > トランスクリプト をオンにする

個人チャットで通話する 場合

トランスクリプト機能を個人チャットで通話する際に使用する場合は下記設定をオンにします。

1.Teams管理センター > 会議 > 通話ポリシー をクリック
2.トランスクリプト をオンにする

利用可能なユーザー

トランスクリプト機能を利用できるユーザーと利用可能な範囲は下表の通りです。

利用可能なユーザー

以下ライセンスを持っているユーザーはトランスクリプト機能を利用できます。
・O365 E1、M365 E3、M365 E5、
・O365 A1、O365/M365 A3、O365/M365 A5、
・M365 F1、O365/M365 F3、
・M365 Business Basic、M365 Business Standard、M365 Business Premium SKU

利用可能な操作

トランスクリプト機能で利用できる範囲は下表の通りです。

文字データの保存場所とダウンロード

文字データは ExchangeOnline上(機能を実行者したユーザーの領域)に保管されます。
全ユーザーはダウンロードするまで文字データにアクセスすることができません。
また、Teams会議を開催した場所によってダウンロード場所が異なります。
下記を参考にダウンロードしてください。

予定された会議(単体)の場合

 カレンダーに登録された会議の会議詳細からダウンロードが可能。

予定された会議(繰り返し)の場合

 カレンダーに登録された会議の会議詳細からダウンロードが可能。

チーム会議の場合

「会議を開始しました」のスレッドに「トランスクリプト」が追加されている。
 

個人 / グループチャットの場合

 個人チャットの場合、チャット画面に「トランスクリプト」と表示されている。
 

参考

Teams 会議でのライブ トランスクリプションの表示 - Microsoft Support

【PowerAutomate】PowerAppsから値を受け取る方法 3選

PowerApps でアプリを作成する場合、ボタンクリックで PowerAutomate を起動するシーン多いと思います。
PowerApps から PowerAutomate 側に値を渡す際は、Run関数を利用すればよいのですが、PowerAutomate 側の値の受け取り方はいくつかあります。
今回は私が知る方法3つをご紹介したいと思います。

目次

1.PowerApps トリガーを利用する

最初にPowerApps トリガーを利用する方法です。
PowerApps から受信した値を利用したい場所で「PowerAppsで確認」を選ぶと新しいコンテンツが作成されます。


作成されるコンテンツの名称は下図のように「アクション名_項目名」になります。
一度作成したコンテンツは、同じフロー内であればいつでも利用できます。

PowerApps では、Run関数を利用して作成したコンテンツに渡したい値を記載すればOK。


ただし、下記点にご注意ください。
一度作成したコンテンツはフローから削除しても裏では残り続けるため、PowerApps で Run関数 を作成する際は「削除したコンテンツも存在する」ものとして値を設定する必要があります。
意外と忘れてしまう落とし穴なのでご注意を。。

2.PowerApps トリガーを利用する &「JSONの解析」を利用する

次は「JSONの解析」を利用して PowerApps から情報を受け取る方法です。



「PowerApps」トリガーの直下に「JSONの解析」アクションを配置します。
「コンテンツ」で「PowerAppsで確認」をクリックしてコンテンツを作成し、「スキーマ」には下記を参考に JSON を記述します。

//PowerAutomate 側
{
    "type": "object",
    "properties": {
        "XXXXX": {
            "type": "string"
        },
        "YYYYY": {
            "type": "integer"
        }
    }
}


「XXXXX」と「YYYYY」はパラメータの名称です。自由に変更してください。

PowerApps の Run関数は下記のような書き方になります。
JSON関数に記載するパラメータの名称は PowerAutomate で定めた名称と合わせる必要があります。
同様に、PowerApps から渡す値の型も PowerAutomate 側で定めた型(type)に合わせてください。

※PowerAutomate で「"type": "integer"」とした場合、PowerApps はValue関数を利用するなどして数値として渡す必要があります。

PowerAppsにおけるJSON関数については こちら をご覧ください。

送信ボタンの OnClick に記述するコマンド例

//JSON形式のパラメータをPowerAutomateに渡す
'フロー名'.Run(
    JSON(
        {
            XXXXX: TextInput.Text,
            YYYYY: Value(NumberInput.Text)
        },
        JSONFormat.IndentFour
    )
);

3.PowerApps(v2) トリガーを利用する

最後に PowerApps(v2) トリガーを利用する方法です。

「PowerAutomate(v2)」トリガーを選択して、「+入力の追加」をクリックすると下図のようにパラメータの種類が選択できます。
パラメータの種類を選択して名前を付けると、以後は作成した名前のパラメータが利用できます。



PowerApps のRun関数に入力する項目も PowerApps(v2) トリガーで作成した項目が必要で、上図における Run関数 は下記のような構成になります。

PowerApps から渡す値の型は PowerAutomate 側で定めた型(type)に合わせてください。
※PowerAutomate で「数」を選択した場合、PowerApps も数値型で渡す必要があります。

// Title=text型、No=number型
'フロー名'.Run( Title, No)

参考

#PowerApps のJSON関数を使ったFlowへのパラメータ渡し
Power Apps の JSON 関数【Docs】

【PowerAutomate】SharePointグループのメンバーを抽出してメールを送りたい

はじめに

SharePoint グループにはメールアドレスがないので、SharePointグループに対してメールを送れません。
しかし、PowerAutomate を使えば SharePointグループ に含まれるメンバーを抽出して、メールを送ることができます。

フローの完成イメージはこんな感じです。
一つ一つ手順を説明していきたいと思います。

目次

手順

SharePoint グループからメンバーを取得して全員にメールを送るフローを作成します。
1~4の順番にアクションを追加してください。

1.SharePoint に HTTP 要求を送信します

このアクションでSharePointグループに含まれる全メンバーのユーザー情報を取得します。
対象のサイトを選択して、URIには下記を入力してください。

URI:_api/web/sitegroups/getByName('SharePointグループ名')/users

結果、下記例のような情報を取得(出力)します。※一部省略

{
    "d": {
        "results": [
            {
                "__metadata": {"省略"},
                "Alerts": {"省略"},
                "Groups": {"省略"},
                "Id": 21,
                "IsHiddenInUI": false,
                "LoginName": "i:0#.f|membership|testuser@contoso.onmicrosoft.com",
                "Title": "テスト 太郎",
                "PrincipalType": 1,
                "Email": "testuser@contoso.onmicrosoft.com",
                "Expiration": "",
                "IsEmailAuthenticationGuestUser": false,
                "IsShareByEmailGuestUser": false,
                "IsSiteAdmin": false,
                "UserId": {
                    "NameId": "100320004d7fed7c",
                    "NameIdIssuer": "urn:federation:microsoftonline"
                },
                "UserPrincipalName": "testuser@contoso.onmicrosoft.com"
            }
        ]
    }
}

2.選択

「動的なコンテンツの追加」からそれぞれ下記の式を入力します。

開始 :{body('SharePoint_に_HTTP_要求を送信します')?['body']?['d']?['results']}

マップ:item()?['Email']

開始は、情報を取得する場所を示します。
SharePoint に HTTP 要求を送信します」アクションの出力結果を見ると ['d'] > ['results'] の下に各種ユーザー情報が含まれているのでそこから情報を取得します。

マップで item()?['Email'] とすることで取得した情報のうち Email 部分のみを抽出します。
今回の場合は、SharePoint グループに含まれるメンバーのメールアドレスを取得しているわけです。

結果、下記のように出力されます。

kurattyo@contoso.co.jp, testuser@contoso.co.jp, admin@contoso.co.jp

3.作成

「選択」アクションで取得した値はカンマ区切りです。
しかし、メールの宛先として使う場合はセミコロン区切りに修正する必要があるので、join関数で「選択」アクションで取得したメールアドレスをカンマ区切りに修正します。

「動的なコンテンツの追加」から下記の式を入力します。

入力: {join(body('選択'),';')}


結果、下記のように修正されて出力されます。

kurattyo@contoso.co.jp; testuser@contoso.co.jp; admin@contoso.co.jp

4.メールの送信

最後に抽出したメンバー全員にメールを送信します。
宛先で「作成」アクションの「出力」を選択します。

「作成」アクションでメールアドレスをセミコロン区切りにしたので、今回抽出した全ユーザに対して一度にメール送信ができるようになっています。

その他:1ユーザーごとにメール送信したい場合

「4.メールの送信」の宛先に、「作成」アクションの「出力」を選択すると全員に一括送信されます。
しかし、1ユーザーごとにメールを送信したい場合はどうすればよいのでしょうか?

「Apply to each」を追加してその中に「メールの送信」を配置します。
「以前の手順から出力を選択」に「選択」アクションの「出力」を配置してください。

「選択」アクションの「出力」は下記のようにカンマ区切りのメールアドレスが入っています。
カンマ区切りのメールアドレスを利用すると、1ユーザーごとに処理が行われるようになります。

kurattyo@contoso.co.jp, testuser@contoso.co.jp, admin@contoso.co.jp

参考

Power Automate get SharePoint Group Members & flow code snippets【YouTube】

【Azure】仮想マシンに固定のIPアドレスを追加する

はじめに

Azure に ADServer を構築する際、仮想マシンのプライベートIPアドレスに「静的な(=固定の)IPアドレス」を追加する必要があることを知ったので、今回はその手順をまとめました。

目次

パブリックとプライベート

Microsoft Azureの仮想マシンは、パブリックIPアドレスとプライベートIPアドレスがあります。
どちらも「動的なIPアドレス」が既定であり、IPアドレスの値は仮想マシン起動時に自動的に割り当てられます。

 - パブリックIPアドレス :インターネットから直接アクセスが可能な IPアドレス
 - プライベートIPアドレス:Azure 内のリソース間に限定された IPアドレス

プライベートIPアドレスによるネットワークは、インターネットから切り離されており、意図しないユーザによるアクセスやハッキングなどの被害から守ることができます。

「静的なIPアドレス」の登録に必要な条件

・ Azure にサインイン可能な「サブスクリプション」があること。(無料アカウントも可)
・ Azure にリソースグループ、仮想ネットワーク、仮想マシンが作成済みであること。

サブネットの追加手順

静的なIPアドレスを作成するためには、default 以外のサブネット が必要です。

1.Azure にサインインする。https://portal.azure.com/
2.Azure Portalリソースグループ を選択する。
3.リソースグループ一覧から対象のリソースグループを選択する。
4.リソースグループに含まれているリソースから 仮想ネットワーク を選択する。


5.「アドレス空間」>「その他のアドレス範囲の追加」に新しいアドレス空間を入力する。
  ※アドレス範囲は自動的に入力されます。
  ※プライベートIPアドレスは下記の範囲内から使うことが定められており、同時にパブリックIPアドレスとして使用はできません。

   - 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
   - 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
   - 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255



6.「サブネット」>「+サブネット」をクリックする。
7.「サブネットの追加」画面で、追加するサブネットの情報を入力して保存する。
 - 名前               ⇒サブネット名を入力
 - サブネット アドレス範囲指定   ⇒5.で追加したアドレス範囲内の値を入力
 - ネットワークセキュリティグループ ⇒サブネットを使用する ネットワークセキュリティグループ を選択
 - 上記以外は既定値のままでOK
8.保存します。作成したサブネットは、左側メニュー > サブネット で確認できます。

静的なプライベートIPアドレス 追加手順

固定のプライベートIPアドレスを作成していきます。

9.サブネット作成後、リソースグループ内の 仮想マシン をクリックする。
10.左側メニューから「ネットワーク」をクリックする。
11.「受信ポートの規則」タブ >「受信ポートの規則を追加する」をクリックする。



12.「受信セキュリティ規則の追加」画面で各項目を入力して、「追加」をクリックする。
 - ソース  :着信トラフィックの指定がなければ「Any
 - ソースポート範囲:ポートを限定する必要がなければ「 *
 - 宛先   :発信トラフィックの指定がなければ「Any
 - サービス :この規則の宛先プロトコルとポート範囲を指定。特になければ「Custom
 - 宛先ポート:「8080」を入力
 - プロトコル:「TCP」を選択
 - アクション:「許可」を選択
 - 優先度  :「301以上~65000未満」の範囲で値を入力
  ※数値が小さいほど優先度は高くなり、規則は優先度順に処理されます。
 - 名前   :規則の名前を決める

13.追加後、左側メニューから「ネットワーク」をクリックして、作成した規則が「受信ポートの規則」に追加されていることを確認する。
14.同じ画面内の「ネットワーク インターフェース」をクリックする。



15.左側メニューから「IP構成」をクリックする。
16.「サブネット」を新規作成したサブネットに変更し、保存する。
17.「最新の情報に更新」をクリックして、変更後の値を表示する。
18.一覧表示されている IP構成 をクリックする。



19.遷移先のページで、プライベート IP アドレスの割り当てを [静的] に設定して、「保存」をクリックする。


仮想マシンIPアドレスが設定後の値になっていることを確認して終了です。

参考URL

 仮想ネットワーク サブネットの追加、変更、削除
 Azure portal を使用して VM のプライベート IP アドレスを構成する

【PowerAutomate】フローのIDを確認する方法

はじめに

今回は「PowerAutomateで作成したフローのIDを調べる方法」を紹介します。

目次

確認方法

1.PowerAutomate に接続します。
2.「マイフロー」をクリックします。
3.フローの一覧から、IDを確認したいフローの編集画面に遷移します。
4.フローの編集画面に遷移したら URL を確認してください。
  下図赤枠内の「/flows/」と「/details」の間がフローのIDです。


フローのIDが分かると何ができるのか

例えば、下記のようなケースが考えられます。
このケースでは、ボタン押下時に「実行するフローのID」をJSONに記載する必要があります。
 ・SharePointでフローを実行するボタンを作成する場合

以下、フロー実行ボタンのサンプルコードです。

{
  "$schema": "https://developer.microsoft.com/json-schemas/sp/v2/column-formatting.schema.json",
  "elmType": "button",
  "customRowAction": {
    "action": "executeFlow",
    "actionParams": "{\"id\": \"実行するフローのIDを記載\"}"
  },
  "attributes": {
    "class": "ms-fontColor-themePrimary ms-fontColor-themeDarker--hover"
  },
  "style": {
    "cursor": "pointer",
    "padding": "2px",
    "margin-top": "2px"
  },
  "children": [
    {
      "elmType": "span",
      "txtContent": " 送信 "
    }
  ]
}

Azure Backup の復元にはストレージアカウントが必要です!

はじめに

Azure で仮想マシンのバックアップと復元を試していたところ、復元するにはストレージアカウントを利用する必要があることが分かった。
ところで、ストレージアカウントって何?

目次

ストレージアカウントとは

Microsoft が提供するストレージサービス(Azure Storage)を使用するのに必要な管理単位。
HTTP or HTTPS 経由でアクセスできる Azure Storageデータ用の一意の名前空間を提供する。
Azure Storage に格納されるオブジェクトは、アカウント名を含むアドレスが割り当てられる。

Azure Storage は、数種類のストレージ アカウントを提供しており、Microsoft が推奨するストレージアカウントの種類は「Standard 汎用 v2」

「Standard 汎用 v2」の特徴

 Azure Storage を使用するほとんどのシナリオで活用できる。

サポートしているストレージサービス
 Blob Storage (Data Lake Storage1 を含む)、Files Storage、Queue Storage、Table Storage

冗長オプション
 LRS、GRS、RA-GRS、ZRS、GZRS、RA-GZRS2

ストレージサービスについて

Azure Storage には BLOB、Files、Queue、Table の4種類のストレージサービスがある。
各種ストレージサービスにアクセスするためには、ストレージアカウントが必要。

Blob Storage

テキスト及び、バイナリデータのためのクラウド用オブジェクトソリューション。
下記目的に最適。
 ・バックアップと復元、ディザスターリカバリー、アーカイブのためのデータ格納。
 ・分散アクセス用にファイルを格納する。
 ・ビデオ及びオーディオをストリーミング配信。
 ・画像またはドキュメントをブラウザに直接配信する。

Azure Storage では、3種類の BLOB がサポートされている。
 1.ページBLOB :最大8TB。Azure IaaS ディスクの基盤となる。
    Azure VM 用ディスクとしても機能する。
    使用できるのはホットアクセス層のみ、クール or アーカイブ層では使用不可。
 2.ブロックBLOB:最大190TBのデータ格納が可能。テキストとバイナリデータを格納。
 3.追加BLOB  :仮想マシンのログ記録用などに最適。

BLOB Storage は、下図のように構成される。

Azure Files Storage

クラウドまたは、オンプレミスのデプロイ用のマネージドファイル共有に用いられる。
下記のような特徴がある。
 ・フルマネージドのファイル共有をクラウド上で提供。
 ・オンプレのファイルサーバーなどを置き換える場合に利用される。
 ・VM に Azure ファイル共有をマウントすれば、開発者は開発ツール等に即アクセス可能。
 ・WindowsLinuxmacOS などに Azure ファイル共有を簡単にマウント可能。
 ・Azure File Sync を使用して、オンプレミスまたはクラウドにある Windows Server にレプリケート可能。

Queue Storage

多数のメッセージを格納するためのサービス。
HTTP または HTTPS を使用してメッセージにアクセスが可能。
ストレージアカウントの容量上限を超えない限り、数百万のメッセージを含めることが可能。
キューは通常、非同期的な処理用に作業のバックログを作成するために使用される。

Queue Storage は、下図のように構成される。
キューは、メッセージのセットを格納するものであり、メッセージの形式は問わない。

Table Storage

Azure 内外部からの呼び出しを受け付ける NoSQL データストアで大量の構造化データを格納する。
データアクセスはとても高速。
Web アプリケーションのユーザーデータ、アドレス帳、デバイス情報、サービスに必要なその他の種類のメタデータなど、柔軟なデータセットを格納できる。

Table Storage は、下図のように構成される。
ストレージアカウントの容量の上限を超えない限り、テーブルにエンティティを保存でき、ストレージアカウントにテーブルを保存できる。

ストレージアカウントを作成する

ストレージアカウント作成の手順

ストレージアカウントを作成するには以下の手順を実施します。
今回は Azure Backup を復元するためのストレージアカウントなので、BLOB ストレージを選択します。

1.Azure を起動する。
2.「リソースの作成」で「Storage account」を検索する。
3.作成をクリックする。
4.基本タブに必要項目を入力して「次へ:詳細設定 >」をクリックする。
  ・ サブスクリプション:バックアップ対象を含む、サブスクリプションを選択
  ・ リソースグループ :バックアップ対象を含む、リソースグループを選択
  ・ ストレージアカウント名:任意の名称
  ・ 地域       :テナントが存在する地域を選択
  ・ パフォーマンス  :Microsoft 推奨の「Standard」を選択
  ・ 冗長性:仮想マシンのバックアップ用であるため「geo 冗長ストレージ(GRS)」を選択
       チェックボックスにはチェックを入れる。



5.「詳細設定」タブは既定値のままでOK
6.ストレージアカウントへ接続するネットワークを決めて次のタブへ移動する。
例では、仮想ネットワーク接続で Azure 内のサービスとプライベートな通信を確保するため 「プライベートエンドポイント」を選択しています。
  ・ 接続方法:「プライベート エンドポイント」を選択して、エンドポイントを追加する。
    - サブスクリプション :4.と同じ サブスクリプション を選択
    - リソースグループ  :4.と同じ リソースグループ を選択
    - リージョン(場所) :4.と同じ 場所 を選択
    - 名前        :任意の名称
    - サブリソース    :VM バックアップ用のため「BLOB」を選択
    - 仮想ネットワーク  :リソースグループに含まれる 仮想ネットワーク から選択
    - サブネット     :仮想ネットワーク に含まれる サブネット から選択
    - プライベート DNS ゾーンと統合する:「はい」を選択
    - プライベート DNS ゾーン:既定値のまま
  ・ ネットワークルーティング:Microsoft 推奨の「Microsoft ネットワークルーティング」を選択



7.「データ保護」「タグ」は既定値のままでOK
8.「確認および作成」タブで設定内容を確認した後、「作成」をクリック。
9.デプロイ完了を待つ。

デプロイが完了すると、ストレージアカウントが利用できるようになります。
これで Azure Backup 復元の際にストレージアカウントを指定できるようになります。

参考URL

・ Docs - ストレージ アカウントの概要
・ Docs - Azure Blob Storage の概要
・ Docs - Azure Files とは
・ Docs - Azure Queue Storage とは
・ Docs - Azure Table Storage とは
・ Docs - ストレージ アカウントを作成する

【Azure】Azure Backup 概要 まとめ

はじめに

Azure 上で仮想マシンを作ったぞ。仮想マシン作ったらバックアップもしておこう。
でもバックアップや復元ってどうしたらいいのかな。
色々やってみるか、という思いから Azure Backup と復元についてまとめました。

本記事では、Azure Backup の概要をまとめています。
バックアップの方法と復元の方法については別記事に記載予定です。
 バックアップ手順:作成中
 復元:作成中

目次

一般的なバックアップ手法

完全バックアップ
・バックアップ対象を完全コピーする
・バックアップの度に全データをコピーする
・データを保管するためには大量のネットワーク帯領域と記憶領域が必要
・リストアは最後のバックアップがあれば実施可能

差分バックアップ
・初回は完全バックアップを行う。2回目以降は初回バックアップと比較し変更された箇所のみをコピーする
・初回からの差分データは全て差分バックアップに含まれる。
・初回からの変更箇所のみのコピーのため実行時間が短い
・リストアは完全バックアップデータと最後の差分バックアップデータが必要

増分バックアップ
・初回は完全バックアップを行う。2回目移行は前回のバックアップと比較し変更された箇所のみをコピーする
・前回からの変更箇所のみのコピーのため実行時間が差分バックアップよりさらに短い
・リストアは完全バックアップデータと全ての増分バックアップデータが必要
Azure Backupでは増分バックアップを採用。

Azure Backup の特徴

・基本的に仮想マシンを丸ごとバックアップ取得。複数ディスクがあっても全て取得する。
オンプレのデータもAzureにバックアップが可能。
Azure Backup は 32 ビットの OS をサポートしていない。

仮想マシンと異なるリージョンのAzure Backupにはバックアップ取得ができない。
 ※ペア リージョンであれば、異なるリージョンに復元は可能。

・Recovery Services コンテナーにバックアップデータは保存される。
バックアップデータは裏側ではAzure Storageに格納されている。

・Azure Backupでは、バックアップデータの保持期間を設定する必要がある。
・既定では1日1回 仮想マシン がバックアップされ、バックアップデータの保持期間は30日間。
・保持期間を過ぎるとバックアップデータは自動的に消去され、削除データの復元は不可。
バックアップは、バックアップ ポリシーで設定したスケジュールに従って実行される。
・初回バックアップは手動実行することがMS推奨。

・保持期間を長くするほど、記憶領域と料金がかかる。
・Azure Backupの利用料金は 仮想マシンのデータ量+保存するデータ量 で決まる。
バックアップが完了した時点で料金が発生し、バックアップ失敗時には料金はかからない。
・バックアップデータがコンテナーに残っている限り、バックアップが停止中でも料金が発生するため、バックアップが不要になった際は、必ずデータを削除すること。

Azure Backup の実施方法

大きく分けて3パターン
A.VM作成時にバックアップを有効化する
  ・バックアップ対象は作成中仮想マシンのみ

B.VM作成後に設定からバックアップを有効化する
  ・バックアップ対象は編集中仮想マシンのみ

C.コンテナーを設定して AzureVM をバックアップする
  ・複数VM をバックアップする場合に便利。

各パターンの実施手順は別記事に記載予定。

Azure Backup の復元

復元の種類

大きく分けて4種類

元の場所で復元 (OLR)

・バックアップを取ったオリジナルの VM と置き換わる形で復元。
・復元は同一リージョンからのみ実施可能
・復元する際にストレージアカウントの作成が必要

別の場所で復元 (ALR)

・バックアップを取ったオリジナルの VM とは別の場所に復元する。
・復元は同一リージョンからのみ実施可能
・復元する際にストレージアカウントの作成が必要

項目レベルの復元 (ILR)

・バックアップから VM 内のファイル単位、フォルダー単位で復元。
・バックアップデータを選択、復元するファイルを参照して、オリジナルの VM と同じ OS に復元する。
・バックアップ対象とは異なるサーバに復元することも可能
・復元はAzureだけでなくオンプレでも可能
・exe/shellをダウンロードして、復元先のサーバで実行することで新規デバイスiSCSIマウントする

リージョンをまたぐ復元 (CRR)

・Azure の ペア リージョンセカンダリ リージョンで VM を復元できる。
・プライマリ リージョンのバックアップデータを利用して、セカンダリ リージョンに新しい VM を作成するか、ディスクを復元することが可能。
・Azure が完全停止、部分的停止、停止なし の状態に関わらず復元ができる。

参考URL

Azure Backup サービスとは | Microsoft Docs
Azure Backup(バックアップ)の特徴、仕組みについて
Azure Backup手法まとめ

Azure VM の復元について | Microsoft Docs
ペアになっているリージョンとは | Microsoft Docs