はじめに
皆さんの会社では、会議室メールボックスは利用していますか?
会議室メールボックスを利用することで、Outlook の予定表にスケジュール登録する際に利用する会議室を予約することができます。
設定次第で、同じ時間帯に他ユーザーが会議室を既に予約済みの場合は重複する予約を自動的にキャンセルさせたり、特定グループだけが利用できる会議室を作成することも可能です。
今回は、会議室をグループ化するための会議室リストの作成方法をまとめました。
目次
会議室リストについて
組織に会議室が複数存在する場合は、ビルごと・階ごとのようにグループ分けして会議室を整理・管理することができます。
会議室をグループ分けするためのグループが会議室リストです。
会議室リストの特徴は以下の通り。
・会議室リストのメンバーとして、会議室を登録する。
・会議室リストは 配布グループ を使用します。
・会議室リストに追加できる会議室の数に明確な制限はないが、一度に表示できる会議室の最大数は 100 です。
・Outlook クライアント、Outlook on the web、Teams 予定表で利用が可能。
・会議室リストは、Exchange 管理シェルを使用してのみ作成と閲覧が可能。
・会議室リストは、管理センターに表示されません。
会議室リストの作成
事前準備
会議室リストを作成する前に下記の準備が必要です。
・EXO V2 モジュールがインストールされている事。
・EXO のアクセス許可(Exchange管理者や全体管理者など)を持っている事。
・PowerShell で EXO に接続できる事。
モジュールのインストールと、EXO への PowerShell 接続方法は下記リンク先をご覧ください。
「基本認証」の方は、セキュリティ上の問題により今後廃止される予定らしいので、「MFA または 先進認証」による認証がうまくいかない場合に利用してください。
・Exchange Online PowerShell に接続する :MFA または 先進認証 - Docs
・Exchange Online PowerShell に接続する :基本認証 - Docs
会議室リストを作成する
最初に PowerShell で ExchangeOnline に接続します。
1-1.会議室リストを作成する
会議室リスト用の配布グループを新規作成する方法です。
下記の場合、PowerShell で認証を行ったユーザーが作成したグループの所有者になります。
New-DistributionGroup -Name "豊洲ビル" -RoomList -PrimarySmtpAddress "ToyosuBL@KuraCompany.com" New-DistributionGroup -Name "池袋ビル" -RoomList -PrimarySmtpAddress "IkebukuroBL@KuraCompany.com"
-Name は、会議室リストの名前です。最大文字数は 64 文字で大小文字・全角半角すべて1文字として数えます。
-RoomList は、会議室リストであることを示しています。
-PrimarySmtpAddress は、会議室リストのメールアドレスを入力します。
※ 上記、-PrimarySmtpAddressが未入力 & -Name が日本語だった場合、PrimarySmtpAddress などが「????@ドメイン」の形で作成されるためご注意ください。
1-2.既存の配布グループを会議室リストに変換する場合
既存の配布グループを会議室リストにする場合は、下記コマンドを利用します。
Set-DistributionGroup -Identity "池袋ビル" -RoomList
-Roomlist を指定することで、会議室リストに変換できます。
2.会議室リストの確認
下記コマンドで、会議室リストが作成されている事を確認します。
Get-distributionGroup "池袋ビル" | select Name,DisplayName,GroupType,PrimarySmtpAddress
3.会議室リストに会議室を追加する
会議室リストが作成できたら、会議室メールボックスを追加していきます。
#豊洲ビルに、10階会議室A、10階会議室B、10階会議室Cを追加する。 Add-DistributionGroupMember -Identity "豊洲ビル" -Member "ConfRoom10A@KuraContoso.com" Add-DistributionGroupMember -Identity "豊洲ビル" -Member "ConfRoom10B@KuraContoso.com" Add-DistributionGroupMember -Identity "豊洲ビル" -Member "ConfRoom10C@KuraContoso.com" #豊洲ビルに、特別会議室 を追加する。 Add-DistributionGroupMember -Identity "豊洲ビル" -Member "SpecialConfRoom@KuraContoso.com"
-Identity は、会議室リストを指定します。
-Member で、会議室リストに追加する会議室メールボックスを指定します。
会議室リストを利用する
登録が完了したら、会議室リストの表示を確認しましょう。
会議室リストを利用する方法は2つあります。
「建物」項目にキーワードを入力する
Outlook の予定表で会議登録を行う際に会議室を検索して予約することができます。
会議室の検索を使用して参照する > 会議室の検索
で会議室リストを選択・参照できます。
会議室リストは自動で「会議室の検索」画面に表示される動作ではありません。
「建物」欄にキーワードを入力することで選択できるようになります。
会議室リストを選択すると、会議室リストのメンバーの会議室が候補一覧に表示され会議室が選択できます。
キーワード入力せずに会議室リストから会議室を選択する方法
キーワード入力せずに会議室リストから会議室を選択させたい場合、ひと手間必要になります。
会議室メールボックスにある「市区町村」というプロパティを利用するのです。
会議室メールボックスの「市区町村」に値が設定されている場合、「会議室の検索」>「すべての都市」配下に、会議室メールボックスに設定された「市区町村」を一覧表示できます。
都市名をクリックすると、選択した都市名を「市区町村」に持つ会議室ではなく、その会議室を含む会議室リストが候補一覧に表示されるため、結果的にキーワード入力しなくても会議室リストから会議室が選択できるようになります。
ちなみに、それぞれの会議室リストにおいて1つ以上の会議室に「市区町村」が設定されていれば、会議室リストは表示されます。
※上図の豊洲ビルでは「10階会議室A」にしか「市区町村」を入力していません
設定から反映までは最大24時間程度かかるため、動作確認する際はご注意ください。
Teams で会議室リストを利用する
Teamsで会議室リストを利用する場合は、Outlookと若干操作が異なります。
Teamsの場合は詳細画面の「場所を追加」をクリックすると会議室リストが表示されます。
「場所を追加」に会議室リスト名を入力することで、会議室の絞り込みもできます。